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診療再開まで~再開

入院・手術部門は諦め、焼け残った1階部分を補修して、1日も早く外来診療を再開することを目標に作業を進めた。後片づけ、清掃と並行して電気・水道の補修のため、知り合いの電気工事業者、設備工事業者に突貫工事を依頼。全ての照明器具を取り外し、むき出し配線で新たに照明器具・コンセントを設置し、やっとの事で手に入れた3台の家庭用空調機を取り付け、玄関のコンクリート壁に穴をあけて地下の貯水槽にパイプをつなぎ、給水車から直接給水出来るようにして、貯水槽からポンプで吸い上げて待合室トイレ、診察室洗い場、コンタクト用手洗いの3カ所にむき出し配管で給水出来るようにした。

電力会社の工事人が工事を始めるのを見つけ、東側に配線しようとしているところに行き、東側には何も残っていない、西側には病院があり困っているので西側に配線しろとゴネて、無理矢理医院に通電してもらったのが10日後、明るくなった室内で万歳三唱。水道局に押しかけて、眼科診療には多量の水が必要であり、これまでも毎日10トン以上の水を消費していた、最低限1トンは必要であると主張し、粘りに粘って、2日に1度2トン給水車を廻すことを約束させる。診察用機械は2診制でやっていたので、2セットあり、壊れたものを寄せ集めて何とか1セットを確保してもらう。その他の機器も徹夜のような状態で修理をお願いした。

何とか2月1日には診療再開が出来そうになったが、問題は薬局である。医薬分業をしていたが、薬局も完全に焼失している。1月30日、薬局をしておられるF氏と話し合っていたところ、近くの焼け跡にコンテナハウスが運ばれてきた。「何としても、あのコンテナハウスを借りて、薬局を開いてくれ」と無理難題をF氏にお願いする。どのように交渉されたのかは分からないが、しばらくすると「借りてきました」との報告を受ける。

2月1日、ガス・水道・電話はないが、何とか野戦病院のような状態で診療再開。