神戸市長田区|日曜日・祝日診察 年中無休 白内障 緑内障 網膜剥離 角膜移植
何とか外来診療は再開したが、本格的な復旧の目途は全く立たない。現在の建物の修復が可能であるのか、取り壊して建て直さなければならないのか。それに、現在地は以前より再開発が取り沙汰されていたので、この際、再開発の網がかぶされる恐れがあった。新聞によると2月17日に復興計画案が発表されるそうである。最悪の場合を考えて、毎日、周囲1キロ程の範囲を歩き回り、移転可能な土地の物色を始めた。入院設備を持つために角地でなければならないし、最低100坪の広さの交通の便の良い商業地ということで、数カ所をリストアップした。 幸い7~8年前に、現在の土地を探し歩いた経験があるので、近辺の状況は頭に入っているし、広さは目測と歩測でほぼ正確に知ることが出来た。
2月17日に復興計画案が発表されたが、案の定、医院は市街地再開発地域のど真ん中になっていた。2月23日から計画案の説明会が開催されたので、毎日のように押し掛けて説明を求めたが、立ち退いてもらって、5年後を目途に再開発ビルを建て、その中に入ってもらうとの説明しかしてくれない。毎日、しつこく食い下がっていたので目に付いたのか、色々とインタビューを受け、テレビ、新聞、雑誌で報道される。
そうこうしている内に職員の間に不安が広がる。特に病棟看護婦には働く場がないので、先行きの心配をするのは当然である。職員を集めて説明をする「再建に向けて最大限の努力をします。しかし現在のところ、まだ目途は立っていません。3月末まで時間を下さい。それまでは給料の支払いは出来ます。そして3月末には結論を出します。最悪の場合にはその時点で新長田眼科を解散するかも知れません。しかし私は、努力をすればこの危機は乗り切れると判断しています。それを信じて3月末まで待って下さい」。