reconstruct

震災当日(平成7年1月17日)~地震発生

1月17日午前5時46分:強烈な衝撃で目覚める。寝ぼけ頭で(なんだろう?)と思う間もなく縦に揺れ、横に揺れ(オッ、これは地震だ、すごいなあ!まだ揺れている、もおいいかげんにしろ!)、ガチャンと音がする(壁掛けの額でも落ちたかな?)、やっと揺れがおさまる。

いつもは何かあると飛び起きて大声を出す家内が一声も発しない。「オイ、今の地震に気がつかなかったのか?」、「気がついてますょ!!」、ベッドに必死でしがみついていて声も出せなかったそうだ。まだ薄暗いのに停電で電気がつかない。(そうだ、今日は手術日だけど、手術はできるかな?)枕元の電話機を取るが通じない。ベッドから降りてタンスに向かうと何かにけつまずく。何だ!テレビが落ちている(さっきのガチャンというのはテレビが落ちた音か)。下着を着たが寒い。家内が暖かい格好をするようにというのでタイツと防寒下着を引っぱり出す。ワイシャツにネクタイを締め、スーツはやめてジャケットとスラックスを着る。「何、その格好は?これを持って行きなさい」と厚手のセーターと防寒ジャンパーを渡されて、6時すこし過ぎに家を飛び出す。門扉が開かない。閂錠を蹴り上げて開き、車に乗る。

shinsai0101車はまだ少なく、道は空いているが信号が全て消えている。普段通る阪神高速はダメかもしれないと思い(ラジオで情報を聴いたのかもしれないが、記憶にない)、幹線道路をぶっ飛ばす。信号の消えた薄暗い道路をぶっ飛ばしていたので、ただひたすら前方を見つめており周囲の情景は全く目に入らず、ただ、途中の大開通り(片側5車線の幹線道路)で反対車線が100M程にわたって陥没しているのに驚く。長田区内に入ると辺り一面がどんよりと曇って視界が悪くなる(火事による黒煙が立ちこめていた為か?)。東尻池の交差点を右折したところで高速道路の橋桁が崩れ落ちている上に乗り上げて動けなくなる。(なにくそ、我が愛車ポルシェは四輪駆動、そして底はフルカバー)と、思い切りアクセルを踏む。ガラガラ、ゴシゴシと無事脱出。さらに医院に近づくと多くの建物の倒壊しているのが目に入る。医院の前面道路に進入しようとすると道路が倒壊した建物で塞がれており、車を広い道路にとめ、瓦礫を踏み越えて丁度7時頃に医院へ到着。