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コンタクトレンズのベースカーブとは何でしょうか?


コンタクトのベースカーブとは何でしょうか?度数が合っているだけではだめなのでしょうか?



コンタクトレンズのパッケージにはいろいろな数値が書いてあります。主要なものは、D(ジオプター)、DIA(ダイアメター) 、BC(ベースカーブ)であり、順にレンズの度数、レンズの直径、レンズの湾曲具合を意味します。

今回ご質問のあったベースカーブは、その数値が大きいほど湾曲度合はゆるやかで、逆に数値が小さいほど湾曲度合はきついということになります。ならば一見ベースカーブの差は、屈折に影響を与えるように思われるかもしれません。しかし屈折はレンズの周辺と中心部との厚みの差によって決まるので、屈折とベースカーブとの間には直接の関係はないのです。

では、なぜベースカーブが必要なのでしょう。コンタクトレンズは角膜の表面に直接装用するので、その湾曲度合は角膜の曲率に合ったものでなければいけません。そこで、オートレフケラトメータという検査機器で測定される角膜曲率半径からベースカーブを決定します。ベースカーブの合わないコンタクトレンズを装用すると、ずれやすいだけでなく、充血、異物感、ドライアイ、眼精疲労などを生じ‘ひどい場合は頭瘤や肩こり、吐き気の原因になることもあります。

ただし、コンタクトレンズの付け心地はベースカーブだけでなく、硬さを含めたレンズの素材や屈折値に伴う厚み、直径などから影響を受けます。最終的には、眼科で実際のレンズのフィッティングをチェックしてもらうのが最善といえるでしょう。


(執筆:椋野洋和)