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2020年4月より白内障手術の多焦点レンズの手術が一部保険適応になったと聞きました。詳しく教えて下さい。
世界的に見ればいまだに失明原因の約半数を占めている白内障。手術の最も古い記述は紀元前のインドに遡りますが、長い間水晶体の濁りをとるためだけの手術でした。
世界で初めて眼内レンズが挿入されたのは1949年のイギリスで、本当の歴史はまだまだ浅いといえます。
それからは術式が短期間に改良され1990年代半ばに、小さい切開から濁りを吸い出し、眼内レンズを挿入するといった現在の術式がほぽ完成されました。レンズ自体は、同時期に素材が進化した後、着色、非球面、トーリックなどが出てきてバリエーションが増えましたが全て保険診療が可能な単焦点レンズでした。
2008年に二箇所以上に焦点が合う多焦点レンズを用いた白内障手術が先進医療として厚生労働省の承認を受け、先進医療実施施設では手術と眼内レンズは全額自己負担(先進医療特約保険加入者は生命保険会社から給付)それ以外を保険診療でおこなうようになりました。
さらに2020年4月からは先進医療を外れて(それにともない先進医療特約から除外)、先進医療ではレンズ費用以外の手術自体も保険適応外であったのに対し、手術自体は通常の単焦点レンズと変わらず保険適応となり、多焦点レンズを選択することで増える費用についてのみ自費で追加負担になる選定療養という枠組みに変わりました。
適応につきましては、実施機関にて眼科専門医に御相談下さいますようお願い致します。
(執筆:椋野洋和)