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落屑症候群について


白内障手術を受ける予定ですが、落屑(らくせつ)症候群で難易度が高いと言われ心配しています。落屑症候群とはどういったものでしょうか。



瞳孔の縁や水晶体のふくろの前面などに白いフケ状の落屑物質が沈着することが名前の由来です。多治見スタディによりますと、通常50代以降に発症し、70代以降ではその率は2.52%といわれています。これは白内障手術を受けられる方々の年齢層とオーバーラップするといえるでしょう。
様々な特徴がありますが、大きく二つに分けると、一つは緑内障になりやすい、そして、もう一つはご質問にあるように白内障手術の難易度が高いということになります。
白内障手術の難易度が高いのは、水晶体を支える組織であるチン小帯が脆弱なこと、そして瞳孔が開きにくいことに起因します。チン小帯が脆弱であることにより眼内レンズを水晶体のふくろの中に固定する、いわゆる通常の白内障手術が不可能となることがおこりえますが、残念ながらこれを術前より予測することのできる明らかな術がありません。
その状態で無理にレンズを入れても将来、レンズがふくろごと目の中で傾いたり、眼底に落下する可能性があります。ただし、チン小帯が脆弱な場合でも特殊なレンズを直接、白目のところに縫い着けることで対応可能です。要は実際に手術をおこなう際に臨機応変に適切な方法を選択することが肝要となり、その為に手術の時期が重要であることはいうまでもありません。

詳しくは眼科専門医へ相談をお願い致します。


(執筆:椋野洋和)