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ドライアイについて


眼が乾いてゴロゴロします。眼科で免疫内科受診をすすめられましたが、なにか関係があるのでしょうか?・(40 代、女性)



ドライアイによる症状だと考えられます。ドライアイは、涙液層の安定性が低下することで、乾燥だけでなく疲れ、異物感、かゆみ、まぶしさ、見えにくさなど様々な症状が引き起こされる疾患です。現在の診断基準は、①眼不快感・視機能異常などの自覚症状がある②涙液層破壊時間(BUT)が5秒以下である の2つが当てはまるものになります。BUTは眼科外来で簡便にできる検査です。原因として、乾燥しやすい環境やコンタクトレンズの使用、タブレットなどを長時間見ることによる瞬きの減少、レ-シックの手術後、加齢などいろいろなものがあります。

治療としては、基本的には環境の改善のほかに、保湿効果の高い点眼薬、ムチン分泌を促す点眼薬、水分の量を増やす点眼薬などの使用をおこないます。重症の場合には、涙の排水溝である涙点という穴を‘涙点プラグで塞ぐ手術がおこなわれることもあります。

大切なのはドライアイの原因として、上記の他にシェーグレン症候群という自己免疫疾患の可能性があることです。この疾患の年齢層は50歳代にピークがあり、男女比は1:17と圧倒的に女性に多く発症します。相談者さんは、40代、女性なので自己免疫疾患の有無の確認のために免疫内科受診をすすめられたのだと考えられます。全身性の臓器病変のある場合はステロイド剤や免疫抑制剤などを用いた治療をおこなうこともあります。ですので内科もあわせて受診されることをおすすめいたします。


(執筆:椋野洋和)