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再建に向けて~自力再建

神戸市の説明をくどく聞いたが、結局は神戸市を相手にしていたのではどうしようもなく、自力で再建をしなければ仕方がないと判断し、その方向で動き出す。リストアップしていた候補地から市街地再開発および区画整理の地区内のものを除くと、残る候補地は3カ所であった。急遽、病院専門の設計士と、3カ所の候補地に20床程度の病院の建設が可能かどうかの検討を始め、それと並行して候補地の買収が可能かどうかの交渉に入った。

私自身が最も希望していた候補地はF銀行の駐車場であった。設計士の判断でも、十分に希望するものが建設可能であるとのことである。銀行の駐車場なので無理とは思ったが、交渉に行くと、値段によっては売っても良いとの回答であった。今度は資金調達である。焼け出されて多額の負債を抱える身でありながら、取引銀行に行き、厚かましくも更に多額の追加融資をお願いする。時間が無いので、土地購入決定も、融資決定も待たずに、設計を依頼する。

3月17日に復興計画が本決定される。丁度その頃に候補地購入の話も進み、幸いなことに銀行の融資もOKとなった。建設会社も入札などはせずに、信頼する友人の経営する大手ゼネコンのY社にお願いする。これでやっと職員に約束した3月末までに再建の目途をつけることが出来た。

震災で復興に1年以上もかかったと言われるのは気分が悪い、何とか平成8年1月17日迄に完成させてほしいと無理難題をY社にお願いしたが、さすがに7階建て、総面積600坪の建物を自信を持って建設することは無理であると言われ、仕方なく3月末完成と決定。