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西洋思想では我々が外界を認識するための感覚は五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)といわれ、それ以外のインスピレーションのようなものは第六感として区別されています。しかし、東洋思想では六根(眼、耳、鼻、舌、身、意)といわれ、意が第六感に当たります。つまり、東洋思想では第六感も正式な感覚として認めているわけです。
ところで、五感はよく聞いて知っているが、六根は今まで聞いたことがないと思われる方が多いと思いますが、実はこの六根という言葉は皆さんが毎日のように無意識に使っている言葉です。「六根清浄」という言葉がありますが、これは六根から生じる欲望を断ち切って清らかになるという意味で、修行者が六根清浄、六根清浄、・・・・・とお題目を唱えながら修行に励むわけです。六根清浄、六根清浄、・・・・・とお題目を唱えながら山を越え、谷をわたって行くわけですが、何万回もこのお題目を唱えているうちに六根清浄、六根清浄、・・・・・ろっこんしょ・・・・・ドッコイショとなったと言われています。
つまり、何気なく「ドッコイショ」と言っていますが、本当は「六根清浄」という有り難いお題目を唱えていることになります。なお、五感の視,聴、嗅、味、触のそれぞれの漢字の意味について説明しておきます。
視:偏が示す、旁が見る→単に見るのではなく、示したところを注意してみる。
聴:偏が耳、旁はもともとは悳で、直の意味です→耳を真っ直ぐ向けて注意して聞く。
嗅:偏が口、旁は自(もともとは鼻)と犬→犬が息を吸い込みながら鼻でにおいを感じる。
味:偏が口、旁は未(微細という意味)→口で微細に感じる。
触:偏が角、旁は虫→虫が角でさわって感じる。