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病膏肓(やまいこうこう)

yamai-koukou「病膏肓(やまいこうこう)に入る」の意味は、もともとは病気が医者の手の下しようもないほど重篤になった状態のことをいいますが、最近は趣味などに熱中して手のつけられないような状態の時に用いられることが多いようです。膏肓(こうこう)が正しいのですが、肓(こう)という字に馴染みがないため盲(もう)と間違われ、「病膏盲(やまいこうもう)に入る」と間違って使われることがあります。

「膏」は心臓の下部の心外膜をさし、「肓」は横隔膜の胸腔側の漿膜をさすといわれています。つまり、病気が心臓と横隔膜の間の手の下しようのない空間に逃げ込んでしまったために医者としてはお手上げになったという意味です。「病膏盲(やまいこうもう)」ではなく、「病膏肓(やまいこうこう)」と正しく使いましょう。