神戸市長田区|日曜日・祝日診察 年中無休 白内障 緑内障 網膜剥離 角膜移植
網膜剝離になると、失明の恐れがあると聞き不安です。初期症状を教えてください。
眼球は硝子体という卵白のような組織で満たされています。硝子体は年齢とともに変性して体積が縮小し網膜面から外れ(これを後部硝子体剥離といいます)、この際、硝子体の後ろの膜の濁りを急に自覚することがありますが、ほとんどは生理的飛蚊症というそのまま経過観察をおこなえばいい状態です。ただ硝子体と網膜の癒着が強い箇所に牽引がかかると視界の一部に光が走って見え(これを光視症といいます)、場合によっては網膜に裂孔を生じることがあります。裂孔を生じているだけであれば、外来でレーザー治療をおこなうことが可能ですが、裂孔を生じたまま放置すると、そこから網膜とその下の層との間に水分が入り込んで網膜剥離を生じ、手術室での手術加療が必要となります。この段階の症状は、剥離した部位に一致して視野が暗くなったり欠けたりするものですが、さらに網膜の中心にある黄斑部まで剥離が進むと、急激に視力が低下します。それでも放置し続けるとたしかに失明につながる可能性もあります。まとめますと、初期症状は「飛蚊症」や「光視症」。この段階で網膜裂孔が生じていなければ、経過観察。網膜裂孔を生じていればレーザー治療。視野に異常が出たり、視力が低下すれば網膜剥離の可能性が高くなるべく早く手術加療、ということになります。もちろん例外もありますので、症状があればなるべく早く眼科医の診察を受けていただくことをおすすめします。
(執筆:椋野洋和)